ワインと健康(赤ワインが身体に与える影響)

 最近マスメディアでもワインを紹介している番組が多く、ワインブームとしてワインを飲んでいる人が多くなりました。これは、ワインが健康に良い飲み物であることがアメリカで報道されてから、世界的にワインブームが始まったのです。
 紀元前1万年ごろにぶどうからワインを作ることが始まり、最初はぶどうジュース、次第に発酵、貯蔵を学習し、ワインというアルコール飲料として広まったようです。ワイン生産国は、スペイン、フランス、イタリア、ドイツなどのヨーロッパ諸国に始まり、最近ではアメリカ合衆国、チリ、オーストラリア、南アフリカなど世界各地でワインが作られています。しかし、国別一人当たりの消費量は、フランスが段突に多く、二位にポルトガル、イタリアが次いでいます。
 今回のワインブームの火付け役はアメリカ合衆国で、その背景を説明します。アメリカでは虚血性心疾患による心臓病での死亡が多く、社会問題としての対策が必要になっていたのです。要するに虚血性心疾患による心臓病を減らすことができないかを考えたわけです。そのアメリカ医学会が目をつけた場所は、心臓病死亡率と肉、乳脂肪消費量の関係です。一般的には肉、乳脂肪消費量が増えると心臓病死亡率が増加するという相関関係を示します。しかし、肉食、バター、生クリーム、チーズなど言わばこってりした料理を食べているフランス人は肉、乳脂肪消費量が多いにも関わらず、心臓病死亡率が低いことが統計上明らかになりました。この矛盾を、フレンチパラドックス(フランスの逆説)と呼ばれ、この矛盾に対しての研究が始まりました。この研究により、たどり着いたのが、フランス人のワイン消費量の多さが関係していると言う結論でした。それも赤ワインが関係しているとの結論を導き出したのです。
 赤ワインの中に含まれる成分として、注目を浴びたのが、ポリフェノールと呼ばれる成分です。ポリフェノールとはぶどうの果皮、種子、果汁などに含まれ、フラボノイド、タンニンなどの成分の総称です。赤ワインと白ワインはワインを作るために使われるぶどうの品種自身も違いますが、赤ワインは白ワインと違い、果皮、種子も使ってワインを作ります。そのため、赤ワインにポリフェノールが多く含まれていることになります。赤ワインが渋いのもこのポリフェノールが関係しているのです。そこでこのポリフェノールは人体に対し何をしているのかを研究する報告が多く見られるようになりましたが、最近は抗酸化作用が主な作用と考えられています。
 ストレスなどで発生される活性酸素がLDLコレステロールの酸化を促進します。この酸化を抑える働き(抗酸化作用)に、赤ワインに含まれるポリフェノールが関係していると言われています。赤ワインに含まれるポリフェノールが、身体の中にある物質や細胞の酸化を防ぐことにより、老化や動脈硬化の促進を抑制する。これが現在のところ言われている赤ワインが健康に良い理由のようであります。しかし、現在も世界中でまだまだ研究が進んでいます。
 赤ワインを飲まれる方々への追加として、赤ワインに含まれるポリフェノールは、すべての赤ワインに同じ濃度で含まれているわけではありません。赤ワインでも作られるブドウの品種や生産される地方により違いがあります。また健康のために楽しんで飲まれるのは良いことですが、飲みすぎは健康を害しますので御注意ください。ワインは12〜13度のアルコール濃度があります。ビールは5度程度です。ワインの中のポリフェノールは身体にとって良い働きをしますが、アルコール分が含まれています。アルコール性肝臓障害(アルコール中毒)を指摘される人が増えてきたことを忘れないで下さい。
(文責:河田智男)

参考文献
1:田中清高、赤ワインのすごい薬効、株式会社マキノ出版
2:右田圭司、ソムリエ・マニュアル、株式会社柴田書店
3:Mercian wine journal ホームページ

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