岐阜県医師会感染症講演会

  日時:8月7日(土)14:00〜16:30
  場所:岐阜県医師会館6F講堂

講演

  <座長> 岐阜県医師会情報システム委員長  河合 直樹 先生

1.感染症対策に係る新法制定の考え方
   岐阜県健康福祉環境部保健医療課長   高橋 司 先生

2.エイズ診療ネットワ−ク:A-netについて
    −医療ネットワ−クの将来像−
   国立国際医療センタ−情報システム部長 秋山 昌範 先生


秋山昌範先生の講演抄録

 インタ−ネット・イントラネットなどの通信メディアは目覚ましい発展を遂げており、行政や教育の分野まで浸透してきた。この技術を利用して、地域全体や疾患単位でネットワ−ク化することで、病診連携・病病連携といった医療連携の活性化が期待できる。また厚生省も電子カルテプロジェクトや遠隔医療研究など情報化政策を進めている。大学病院や大規模病院ではオ−ダリングシステムの導入が図られ、情報化によりすでに様々なメリットが生じているが、今後はネットワ−ク化したデ−タベ−ス、即ち電子カルテ化することで、患者はどの病院にかかっても、自分の病歴を参照でき、継続性のある適切な診療が受けられることになる。ただし、医療においてはセキュリティが重要であるので、機密性を保つことは重要であり、プライバシ−の保護には十分配慮する必要がある。その上で、高速伝達や画像などの伝送も可能にした医療連携システムの達成により、全国1患者1カルテの実現が可能になる。
 このように、医療において医療機関同士がネットワ−ク化される意義として、インタ−ネットを使った情報発信のみならず、実地診療における診療情報交換による病診連携が大きい。エイズ治療・研究開発センタ−はHIV感染症に関する臨床研究に基づき、最高度の医療水準による診療を行うとともに、情報ネットワ−クや医療従事者の研修を通じて同感染症の診療に関する最新かつ最高の知識、経験を全国各地の拠点病院等の従事者に提供する役割を負っている。エイズ診療ネットワ−ク(A-net)を利用してエイズ治療・研究開発センタ−の機能を発揮することで、HIV感染者が居住地最寄りの拠点病院等で最高度の医療水準による診療が受けられるようになる。すなわち、A-netを利用して、臨床情報の収集・集計・分析を行い、最新の情報提供や治療研究を行えるようになることが期待される。A-netは始めての広域ネットワ−クを使った電子カルテであり、その経過と問題点を通じ、医療ネットワ−クのあり方を述べる。また、エイズ治療の向上等の研究において、個人が特定されないデ−タ利用の方策や、その利用目的や方法等が適切かどうか判断する組織など、今後も検討すべき問題点もある。

講演風景

小坂県医師会長

河合先生

高橋 司 先生

秋山 昌範 先生

                         photo by K.Sugiyama