尋麻疹

 尋麻疹とは、一過性の限局性の炎症性皮膚浮腫の事をいいます。 尋麻疹の発症の機転は非常に複雑で、種々の原因の組合せが考えられ、症状の経過から急性と慢性に分けられます。
 一週間以内で治癒するものを急性、一週間以上反復してでるものを慢性といいます。
 尋麻疹の始まりは、多くの例で、局所の皮膚に境界のはっきりした扁平な隆起が現れ、これが急速に大きくなり、また融合して円形〜楕円形〜地図状の隆起(膨疹)となります。この時皮膚の熱感や痒みを伴います。尋麻疹が消えてゆくときは、膨疹の境界が次第に不鮮明になり、徐々に小さくなり消えてしまいます。このような症状は普通一回で終わりますが、時には数分から数時間の間隔で繰り返すこともあります。
 日本の人口の約10%の人が尋麻疹を経験し、そのうちの1〜2%の人が慢性の尋麻疹と言われています。女性にやや多く、20才代に最も多くみられます。季節的には、春、夏に増加し、冬には比較的少なくなります。

原因
1)食事性:サバ、アジ、カニ、タコ、エビ、肉類、鶏卵、牛乳、ソバ、アルコール等を飲食した後に起こります。

2)薬物性:輸血、各種血清、ワクチン、ペニシリン、ピリン系の薬剤、その他いろいろな薬剤に可能性があります。一般に肝臓の解毒作用との関連が言われていますが、大部分の患者さんで肝臓の異常は認められていません。

3)機械的:人工尋麻疹ともいわれ、治りにくく、同じ刺激により繰り返します。時計のベルト、肌着、洗剤、化粧品等の刺激の加わる部分の皮膚に出現します。

4)温熱性、寒冷性:入浴したり、布団に入ったり、運動をすることで体が温まると出現するもの(温熱性)、冷水や寒風にさらされると出現するもの(寒冷性)があります。

5)光熱性:光線(主に紫外線)にさらされた部分にみられます。

6)心因性:日常生活、職場、学校などで受ける心理的ストレスが原因となって起こります。

 以上のように尋麻疹の原因を大きく6つに分けましたが、このほかにも原因不明のものが数多くあります。

治療
 急性の尋麻疹で原因の判っているような症例では、坑ヒスタミン剤、カルシウム剤、副腎皮質ホルモン剤の投与が有効です。ときに、気道の閉塞を起こし、呼吸困難となることがありますので充分注意してください。慢性の場合は原因がつかみにくく、治療してもなかなかよくなりません。専門の皮膚科に根気よく通院することが大切です。(飯沼順平)

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