インフルエンザA(H5N1)の取扱い基準

Procedure for the Management of Influenza A (H5N1) in Hospital (Revised: 9 January, 1998)

   出典:医事管理局(香港)HOSPITAL AUTHORITYのホームページ(http://www.ha.org.hk)

 この報告は、もっとも最新の情報に基づいてまとめられており、どんな過去の記録にも、取って代わる新しいものであります。

現在の状況

 今日現在、香港において、インフルエンザA(H5N1)と確認された患者は、昨年8月以来16例であった。
 インフルエンザA(H5N1)は以前は鳥類のみの感染症として知られていたのだが、これらの例は、人類においては最初の感染例と考えられた。
 インフルエンザA(H5N1)の感染はウィルスと直接接触することにより罹患すると思われるが、それは(1)感染した家禽類との接触、(2)感染した人との接触 (3)トイレの中のウイルスの手指への付着、などが考えられる。
 しかし、本症の感染ルートのもっとも主なものは、鳥からひとへのルートであり、ひとからひとへの感染の可能性は低いと考えられている。
 感染症に対する管理の厳しい対応と、安全なトイレの使用法を実施することで、この心配される危険性を減らすことが出来ると考えられる。

 先週から、インフルエンザ様疾患を訴えてきた患者779検体のうち、74検体(9.5%)でインフルエンザAが陽性であった。しかしインフルエンザA(H1N5)は1例もなかった。
1997年12月28日のはじめて本疾患の発生がみられたが、実際は、最近になって行政当局によって、鶏の屠殺を実行すると言う対応がなされてからは、新しくこのインフルエンザA(H5N1)の患者が発生したと言う報告は見られない。
 しかしながら、インフルエンザのシーズンが終わるまでは、インフルエンザA(H5N1)の再流行の可能性は、残っており依然として警戒は必要であろう。

インフルエンザA(H5N1)感染症の臨床像

 早期にインフルエンザA(H5N1)感染症を認識するのに役に立つ共通の臨床像としては (1)突然の発熱(38.5℃以上)が2-3日続き、他の原因が考えられない時(2)咽頭痛、鼻かぜ、咳などの上気道炎症状 (3)臨床検査や、胸部レントゲン検査で肺炎の兆候があること (4)嘔吐、水様の下痢を伴う腹痛 (5)呼吸困難(6)低酸素血症 (7)リンパ球の減少AND/OR白血球の減少 (8)肝機能障害(AST/ALTの上昇、ビリルビン値は正常)
 これらの臨床像は確定診断された限られた症例において観察されたものであり、すべてを網羅していると言う意味ではない。
 さらに、インフルエンザA(H5N1)感染症では、子どもを除いて他のインフルエンザAのサブタイプより肺炎などの重症になる割合が多いのと、基礎疾患例えば、悪性腫瘍、慢性の心或いは呼吸器疾患を有するもの、糖尿病、高齢者などでは初期には定型的な呼吸器症状を示さない場合でも急激に症状の悪化を見ることがある。

          (以下省略) 和訳 石川内科クリニック 石川 裕

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