予防接種

定期接種のワクチン
1.B型肝炎ワクチン

 出生直後から接種可能です。1回目のあと4週間以上あけて2回目を受け(2回目は1回目のあと正確に4週後に受けるとより効果的といわれています)、さらに1回目から139日(20週)以上あけて1歳の誕生日前日までに3回目を受けます。生後2か月以降にロタウイルスワクチン・ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン・四種混合ワクチンとの同時に接種が一般的です。
 B型肝炎は血液や体液を介して感染することが以前から知られていましたが、日常生活でも感染するという報告が相次いだため、すべての人がB型肝炎の予防接種を受けることが望ましいと考えられるようになりました。母親がB型肝炎のキャリアの場合は出産後に母子感染を生じる危険性が高く、母子感染を予防するために出生直後(出生12時間以内)からB型肝炎ワクチンの接種を開始することが大切です。父親がキャリアの場合も家族への感染を予防するため積極的にワクチンを受けることが勧められています。

2.ロタウイルスワクチン

 ロタウイルスは主に冬から春にかけて乳幼児に感染して脱水を伴う重症の胃腸炎の原因となります。このワクチンの登場によって、ロタウイルスによる重症の胃腸炎が減少してきました。飲むタイプの生ワクチンで、生後6週から接種を受けることができます。初回接種は生後14週6日までに受ける必要があり、生後15週に達すると初回接種を受けることができません。生後2か月以降にB型肝炎ワクチン・ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン・四種混合との同時接種が一般的です。
 このワクチンは2種類(1価または5価)あり、それぞれ接種回数が異なります(2回または3回)。
・1価のワクチン(ロタリックス):1回目を生後14週6日までに受け、4週間以上あけて2回目を受けて終了です。生後24週までに2回目のワクチンを終わらせる必要があります。
・5価のワクチン(ロタテック):1回目を生後14週6日までに受け、4週間以上あけて2回目、さらに4週間以上あけて3回目を受けます。生後32週までに3回目のワクチンを終わらせる必要があります。
 ロタウイルスワクチン接種後に腸重積症を発生する例が報告されていますので、接種を受けた後に血便や嘔吐などが認められた場合はなるべく早く医師の診察を受けることが大切です。

3.ヒブワクチン

 細菌性髄膜炎などの重症感染症を予防するためのワクチンです。
 生後2ヶ月から接種を受けることができます。ヒブワクチンは4~8週間隔で3回接種し、4回目は1歳に達した後3回目の接種から7~13ヶ月の間隔で受けます。ロタウイルスワクチン・小児用肺炎球菌ワクチン・四種混合ワクチン・B型肝炎ワクチンとの同時接種が一般的です。
 上記は生後2ヶ月~7ヶ月未満で接種を開始した場合の標準的な接種方法です。生後7ヶ月以上に達した時点で一度も接種してない場合や途中で中断している場合は保健センターもしくはかかりつけ医に相談しましょう。このワクチンの定期接種での期限は5歳未満までです。

4.小児用肺炎球菌ワクチン

 細菌性髄膜炎などの重症感染症を予防するためのワクチンです。
 小児用肺炎球菌は4週以上の間隔で3回接種し、4回目は1歳~1歳3ヶ月の間に3回目から60日以上の間隔をあけて受けます。ロタウイルスワクチン・ヒブワクチン・B型肝炎ワクチン・四種混合ワクチンとの同時接種が一般的です。
 上記は生後2ヶ月~7ヶ月未満で接種を開始した場合の標準的な接種方法です。生後7ヶ月以上に達した時点で一度も接種してない場合や途中で中断している場合は保健センターもしくはかかりつけ医に相談しましょう。この定期接種は4歳までが期限となっています。

5.四種混合ワクチン

 ジフテリア・百日咳・破傷風・急性灰白髄炎(ポリオ)を防ぐワクチンです。
 生後2か月~7歳半未満の間に接種を完了させる必要があります。生後2か月で接種を開始し、3~8週間隔で3回接種します。3回目の後1年~1年半の間隔をあけて4回目を受けます。赤ちゃんが百日咳に罹ると危険な状態に陥る可能性が高いため、生後2か月になったらできるだけ早く受けましょう。ロタウイルスワクチン・ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチン・B型肝炎ワクチンとの同時接種が一般的です。この定期接種は7歳6か月に至るまでが期限です。

6.BCGワクチン

 結核を予防するワクチンです。
 1歳未満の赤ちゃんが対象で、標準的には生後5~8ヶ月で受けます。ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン・四種混合ワクチンの3回接種が終了してから接種することが多いワクチンです。

7.麻しん・風しんワクチン

 麻しん(はしか)と風しん(3日ばしか)を予防するワクチンです。
 麻疹は高熱と呼吸障害を引き起こし生命が奪われることもある危険な感染症です。また妊娠中に風疹にかかると胎児に生まれつきのいろいろな病気が生じる危険性があります。この二つの病気の流行を防ぐためにも、確実に予防接種を受けておくことが大切です。
 1回目は1歳の誕生日以後2歳に達するまでに接種、2回目は就学前の1年間(幼稚園・保育園の年長のとき)に接種しましょう。

8.水痘ワクチン

 1~3歳未満で3ヶ月以上の間隔をあけて2回接種を受けます(標準的には1歳の誕生日から3ヶ月の間に1回目、1回目から半年~1年の間で2回目を接種)。
 みずぼうそうは必ずしも軽い病気ではなく、時に重症化することがあります。白血病やネフローゼなどの基礎疾患のあるこどもが罹患すると非常に危険です。みずぼうそうにかかっている人と接触した場合、3日以内に水痘ワクチンを接種すると発症予防、症状の軽減が期待できます。

9.日本脳炎ワクチン

 合計4回の接種が必要です。
 生後6カ月から接種を受けることができます。標準的には3歳以降に1~4週間隔で2回の接種を受け、2回目からおおむね1年後に3回目を受けることとされています。1回目から3回目までは7歳半に達するまでに受け、4回目は9歳~13歳未満で受けます。
 日本脳炎にかかると確実に治す方法がなく、致命的となったり重い後遺症を残したりする危険性がありますので予防接種を受けておくことが大切です。最近は3歳の誕生日を待たずになるべく早期から始めることも勧められています。
<特例措置>
 平成7年4月2日~平成21年4月1日生まれの方は20歳未満であれば接種を受けることができます。平成19年4月2日~平成21年10月1日生まれの方で第1期が終了していない方、7歳半になるまでに終了できない場合については第2期の接種期間である9歳~13歳未満に接種することができます。

10.二種混合ワクチン

 ジフテリア・破傷風を予防するワクチンです。
 11歳~13歳未満で受けることになっており、標準的には小学6年生の間に受けることが多いです。
 このワクチンを常備している医療機関は少ないので事前に予約しておくと良いでしょう。

11.子宮頸がんワクチン(ヒトパピローマウイルスワクチン)

 ヒトパピローマウイルス(HPV)は子宮頸がんを引き起こす主要な原因のひとつです。子宮頸がんワクチンを接種することにより子宮頸がんを予防することに役立ちます。対象は小学6年生から高校1年生の女性で、標準的には中学1年生で接種します。
 子宮頸がんワクチンは3種類(2価・4価・9価)あります。
・2価(サーバリックス)は1回目から1ヶ月後に2回目、3回目は1回目から6ヶ月後に受けます。
・4価(カーダシル)は1回目から2ヶ月後に2回目、3回目は1回目から6ヶ月後に受けます。
・9価(シルガード)は1回目の接種を15歳になってから受ける場合、1回目から2か月後に2回目、3回目は1回目から6か月後に受けます。1回目の接種を15歳未満で受ける場合、1回目から6か月後の2回目で接種完了とします。但し15歳未満でも保護者や被非接種者の希望があれば3回の接種も可能です。
<キャッチアップ接種>
 平成9年4月2日から平成19年4月1日までに生まれた女子については定期接種として接種ができます。かかりつけ医や保健センターに相談してください。

12.高齢者用肺炎球菌感染症予防ワクチン

 高齢者が肺炎球菌に感染すると肺炎などをおこして重症化することや生命にかかわることがあります。予防接種を受けて健康な毎日を過ごせるようにしましょう。この予防接種の対象は岐阜市に住民登録があり次の2項目のどちらかに該当する人です。
(1)年度末までに65歳以上となる人全員(今までに23価肺炎球菌ワクチンの予防接種を受けたことのある人は対象となりません)
(2)60歳以上65歳未満で、心臓、腎臓、呼吸器の機能障害またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能障害があり、身体障害者手帳1級に相当する人(今までに23価肺炎球菌ワクチンの予防接種を受けたことのある人は対象となりません)
 実施医療機関など詳しくは岐阜市のホームページ 感染症・予防接種欄をご参照ください。

更新日:令和5年8月1日

任意接種のワクチン

 上記の定期接種は国が制度を整備して法律の下に行うものです。定期接種以外にも個人の主体性のもとに行う任意の予防接種があります。下記に示す任意の予防接種も健康維持のために重要であるため、必要性と副反応について理解を深め接種について検討してください。

1.おたふくかぜワクチン

 おたふくかぜは耳下腺や顎下腺という唾液腺が腫れて発熱する病気ですが、さらに聴力が障害されたり髄膜炎を併発したりすることがあります。特に聴力が障害されると回復が難しく、こうした合併症を防ぐためにもおたふくかぜワクチンを受けて予防することが大切です。
 近年では予防効果を高めるために2回接種が推奨されており、1回目は1歳早期に、2回目は5~6歳の就学前に接種するとよいとされています。他のワクチンとの同時接種も可能です。

2.A型肝炎ワクチン

 A型肝炎は衛生状態の悪い環境で飲み水や食べ物を摂取することにより感染する病気で、発症すると1か月以上の入院が必要となる場合があります。主に海外で感染することが多く、流行地域に長期間滞在する人は予防接種を受けることを検討するとよいでしょう。60歳以下の人はA型肝炎の抗体保有率が低く感染しやすいため予防接種の必要性が高いと考えられます。
 2~4週間隔で2回接種し、6か月目にもう1回接種すると約5年間効果が続くとされます。

3.狂犬病ワクチン

 狂犬病は致死率がほぼ100%の大変危険な病気です。イヌの他にもキツネやアライグマなどの動物に咬まれることによって感染するおそれがあります。海外の多くの地域で未だ狂犬病は撲滅されていないため渡航者は十分な注意が必要です。
 予防接種は4週間隔で2回、さらに6か月から12か月後に3回目を接種します。3回接種後、6か月以内に咬まれた場合には0日(咬まれた日)、3日の2回の接種が必要です。6か月経過後に咬まれた場合には0日、3日、7日、14日、30日、90日の6回のワクチン接種が必要です。

4.不活化ポリオワクチンン

 急性灰白髄炎を予防するワクチンです。
 不活化ポリオワクチンは四種混合ワクチンに含まれていますので、四種混合を規定通りに接種している人は不活化ポリオワクチンを接種する必要はありません。また、経口生ポリオワクチンを2回接種した人も接種の必要がありません。生ポリオや不活化ポリオの接種が完了していない場合(四種混合を終了した人は除く)に不活化ポリオワクチン接種の対象になりますので、保健センターもしくはかかりつけ医に相談しましょう。
 このワクチンは生後3か月~7歳半未満の間に接種を完了させる必要があります。標準的には生後3か月で開始し3~8週間隔で3回接種、3回目から1年~1年半後に4回目を受けます。

海外渡航のためのワクチン

受け付けている医療機関は日本小児科医会国際部のホームページの予防接種情報をご参照下さい。

予防接種の間隔について

異なる種類の予防接種の間隔については以下のように規定されています。

・不活化ワクチンの後は6日間あける(翌週同じ曜日で接種可能)

・生ワクチンの後は27日あける(4週後の同じ曜日で接種可能)

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